2019-05-04

世界で活躍する音楽家、Keiichiro Shibuyaの東京ナイトライフ

Area Guide

ピアノソロからオーケストラ、オペラ、コンピューターを駆使したエレクトロニックミュージックまで、音楽アーティスト/プロデューサーとしてワールドワイドに活躍をする渋谷慶一郎さん。これまでに誰も行ったことのない革新的なスタイルで、実験かつ前衛的な音楽を披露してきた。昨年は、アンドロイド・オペラ「Scary Beauty」や、高野山・声明の演奏家集団「南山進流声明研究会」とコラボレーションを果たしたコンサートをアメリカで行い、さらに世界より注目を浴びた。現在、東京とパリを行きしながら活動中の渋谷さんに、東京の夜の遊びを聞いてみた。

  • —普段、東京ではどんな遊び方をしていますか?

    Keiichiro Shibuya 実は夜に遊びに出かけるのは、土曜日の夜だけなんですよ。毎晩飲んだり、会食したりして楽しく過ごしているイメージがあるみたいなんですけど、平日の昼間は打ち合わせなどが入っているので、作曲など音楽活動をするのがたいてい夜になってしまうんです。だから誰かと平日に食事すると1日が終わってしまうから、東京にいるときはデートする時間もないくらい忙しい(笑)。ただ、土曜日だけは、だいたい深夜の2時くらいまで作曲というか制作をして、そこから僕のナイトライフが始まるといった感じなんです。最近は夜遊びに行くのがまた楽しくなっているので、海外から帰国した日が週末だったりすると、スーツケースを置いて、すぐにシャワーを浴びてクラブへ行くこともあります(笑)。

    ―これまで渋谷さんがしてきた、クラブ活動について教えてください。

    Keiichiro Shibuya 芸大生だった90年代は夜遊びの達人みたいな先輩に連れられて、クラブをハシゴしたりしていました。その後、2000年から2010年代までは徐々にクラブとか朝まで遊ぶとかいうのを離れていたんですが、この1~2年でまた行き出すようになったんですよ。僕は割と多動だから、バーでしっぽり飲むというタイプではないんです。最近だと例えば「Contact」のようなクラブだと、飲もうと思えば飲めるし、踊ろうと思えば踊れるし、好き勝手にクラブの中で遊べるのでいいんです。それと僕は音楽制作が調子良くなると制作を続けるので、友達と確実な遊びの約束ができないんですよ。なので、フラッと行ってそこに友達がいるっていう遊び方が好きですね。

  • ―最近の東京のクラブシーンをどう思いますか?

    Keiichiro Shibuya 今は大人も遊べるクラブが増えてきていいと思います。東京のクラブシーンは、80年代は華やか、90年代はストイックな方へ向かって、2000年代は暗黒時代とでも言うか、そして今は成熟した感じですよね。勝手な見方ですけど(笑)。日本だと東京しかほとんど知らないですけど、音質の良いクラブが増えてきているし、全体的にナイトシーンは良くなっていると思います。それと最近は、新しいスタイルのオシャレなスナックを意識したラウンジや、「OATH」や、「RED BAR」など朝から盛り上がる店もあるのはいいなと思います。実際に僕の外国人の友達なんかは、東京へ来ると夜遊びをするのがめちゃめちゃ楽しいみたいです。僕のパリの友達で、ジャン=クリフトフ・グランジュというフランスのベストセラー小説家がいるんですけど、彼は日本で僕のコンサートに来てくれて知り合ったんですけど、大の日本好きで「東京はどこへ遊びに行くの?」と聞いたら、「Contact」って言っていて「同じじゃん!」って盛り上がりました(笑)。僕よりも10歳くらい年上なのにすごくエネルギッシュですね。

    ―年の半分は、パリに住んでいらっしゃいますが、パリではどのようなナイトライフを送っていますか?

    Keiichiro Shibuya パリの人たちはよく喋るんですよ。場所は関係なく、バーで何時間も喋り倒す。で、それよりもホームパーティが多いんですよね。僕は東京で育っているから、夜の遊びは約束しなくていい、行った先々で知らない人に出会うという楽しみ方をしてきたんです。だけど、ホームパーティって知らない人がほとんどいないでしょ。それでそのうちに「ホームパーティばっかりじゃん!」ってブーブー文句を言ってた時期があった(笑)。今はもう慣れましたけど、パリの人たちは話をしていて一番面白いというのが、チャームポイントだから店とか場所よりも会話なんです。どんなに良い人でも面白くないとアウト。そういう意味では僕はあちこち行くのは好きなんだけど「店の雰囲気が~」とかよりはコミュニケーションの濃度の方が大事だからいいんですけど。

  • —渋谷さんが推薦する、東京の遊びを教えていただけますでしょうか?

    Keiichiro Shibuya 僕の定番は、中目黒で焼鳥とか魚とか食べて、少しブラブラしてその後にクラブへ行くというパターン。気に入っている店は、やきとん屋「まるや」ですね。内臓系もあるんですけど、フランス人の友達を連れていっても「美味い!」って言います。それと「まるや」には、かき氷の入ったグラスに、アルコール度数の高い焼酎を入れて飲む酒があるんですけど、それがすごく酔っ払うんですよ。それを飲んで酔っ払って仕上がった後に、渋谷の「Contact」や「Vision」へ行くんです。クラブに行く前にあえて「ロイヤルホスト」へ行って休んだり(笑)、ルビークラブみたいな小箱に寄るのも好きです。道元坂にある「ロイヤルホスト」は広いし、カフェも食事も美味しいし素晴らしいんですよ。日本人は「ファミレス?」とかいう感じですけど、海外から来た友達は喜ぶし僕もそんな感じになってきました(笑)。朝方、もしお腹が空いていたら「博多天神」や「一蘭」でラーメンを食べて、さらに元気があれば「OATH」や「RED BAR」へ行って仕上がる(笑)。海外から友達がくると、このパターンで遊びに出かけることが多いです。

  • ―日本のナイトシーンへ期待することはなんでしょうか?

    Keiichiro Shibuya 日本はご飯は安くて美味しいし、夜遊ぶにしても安全で……そんな国は他になかなかないんですよ。サービスもきちんとしているので、外国人の人たちも安心して遊べる国だと思うんです。ただ、それだけだと対等な関係とは言えないかもしれない。観光が単なる一方的なサービスではなく文化交流になり得るには相互に浸透、影響するようなコミュニケーションが大事だと思います。音が良い箱ってテクニカルに良いだけじゃなくて、空気が違うからそれは言葉が通じなくてもわかる。でも、そこで止まるんじゃなくて、一歩踏み込んで直接的なコミュニケーションが可能になるといいなと思います。本当の意味での良い夜遊びって、やっている側の愛情がどれくらい感じられるか、ということが重要だからそれはちゃんと伝えるべきなんです。


    Photo:Reiji Yamazaki
    Text:Kana Yoshioka

  • Yakiton Maruya
    address:1-5-10, Kamimeguro, Meguro-ku, Tokyo JAPAN
    tel:81-(0)3-6452-3995
    open:18:00

  • Contact
    Dogenzaka 2-10-12, Shibuya-ku, Tokyo
    Shintaiso Bldg, B2F
    TEL: +81-(0)3-6427-8107
    http://www.contacttokyo.com

TAGS
RELATED ARTICLES

MOST POPULAR

MOST POPULAR

Sorry, no content matched your criteria.