Ed Templeton & Dianna Templeton
2019-09-20

Ed Templeton & Dianna Templeton

Culture

文化を感じるために写真を撮る。2人のフォトグラファーが観た日本の夜とは。

  • 2008年にニューヨークのIFC centerにて、アメリカ初のプレミア上映されたドキュメンタリー映画『Beautiful Losers(美しき落ちこぼれたち)』。ストリートカルチャーのアート部門において、バイブル的な存在となったこの映像を賞賛し、アメリカ西海岸発ブランドRVCAプレゼンツの元、東京・渋谷にあるギャラリーRVCA SHIBUYA GALLERYと THE CORNERにてグループ展『NOW & THEN: A DECADE OF BEAUTIFUL LOSERS”」が開催された。その際に、カリフォルフォルニア州ハンティントンビーチを拠点に活躍する、レジェンドスケートボーダーであり写真家のエド・テンプルトンとディアナ・テンプルトンがエキシビションに参加し作品を展示。公私をともにする2人は、この数年、毎年やってくるほど日本のファンだそうで、今回の来日の際には、エド・テンプルトンが捉えた東京の街の出来事をまとめた写真集「CITY CONFESSION #1 TOKYO」(出版:SUPER LABO)「CITY CONFESSION #1 TOKYO」(出版:SUPER LABO)をリリース。独自の視点を持った2人に、東京の話を聞いてみた。


    -- 日本へは何度目の来日ですか?

    Ed Templeton(以下、E) 今回で8度目。初めて日本へ来たのは1998年。スケートボードで数回、あとはアートエキシビション。2001年に初めて日本でエキシビションをやったんだけど、そのときは浅草でトレードショーがあったんだよね。

    Dianne Templeton(以下、D) 浅草までフェリーに乗っていったわね。あのとき、あなたは日本の有名なTVスターの絵をブースで描いたのよ。みんなが「彼女は有名な人だ」って言っていたわ。

    E そこから15年のギャップを経て、2016年に戻ってきたんだ。それ以来、毎年日本へ来ている。

    D それまで私たちは、自分たちを探すためにヨーロッパへ行っていたの。ギャラリーへ行ったり、スケートボードの関係のエキシビションへ行ったり。そんな中、結婚25周年を記念して、これまでとは異なるところへ行ってみようということになり東京へ行くことにしたの。2016年は東京と京都と10日間ほど滞在をして、2017年は3週間、2018年は1カ月と5日間滞在したのよ。

    E 日本が大好きになってしまったんだよね。これまで東京、京都、福岡、金沢、藤沢と日本各地へ行った。滞在中の半分は写真を撮っていたよ。僕たちは歩き回るのが好きだし、道に迷っても歩き回って写真を撮る。日本の文化は素晴らしい。それとなんといっても安全だから、僕たちはいろいろなところへ行けて、写真を撮ることができるんだ。いろいろな日本の文化を撮影しているよ。例えば食に関して言えば、僕たちは1990年代からビーガンなんだけど、日本には野菜を使った料理がとても多いことに気づいたし、中でも仏教(ブッデスト)の料理、精進料理はビーガンには最高なフードだと思う。

  • D それと美しい(エステティック)な建築物も素晴らしいわよね。東京も好きだけど、ゆっくりした時間が流れる京都も好き。深く深呼吸できる感じがするの。アメリカの自分の家に帰っていつもの生活に戻ると、気がつくと仕事でストレスが溜まっていたりする。だからこうやって日本へきてストレスを解放しているのよ。見るものすべてが、あれは何? これは何? って、まるで生まれたての子供のような感覚よね。いろいろななことに興味が湧いてくる。写真を撮るのも楽しいし、自分の中のさまざまなことが更新されていくのよ。

    E 僕は日本の写真(フォトグラフィー)が好きで、日本へ来るとたいてい東京写真美術館へ行くんだ。ギャラリーにもよく行くんだけど、そうやっていつも何かしら調査しているんだ。前回、京都では藤田嗣治の個展へ行き、彼の存在を初めて知ったんだけど、すっかり彼の大ファンになってしまった。絵画の素晴らしさはもちろんだけど、グラスを片手に持った彼の写真には驚いたよ。間違いなく好きなペインターの1人だね。

    ― 実際に日本のナイトライフをどう思いますか? ディアナは夜の光景を中心とした写真集「The Moon Has Los Her memory」(出版:SUPER LABO)をリリースされてもいますよね。

    D 2人とも夜のシーンを撮影するのが好きなのよ。私は街の灯の光を使って撮影をしたいから、フラッシュをたきすぎないようにしている。ナチュラルな感じが好きなのね。夜に撮影をするときは、カメラを手に深呼吸をしながら撮影をしている感じね。私たちは2人とも静かな側からシーンを見ているのよ。

    Photo:Ed Templeton “CITY CONFESSION #1 TOKYO” (SUPER LABO)
  • E 僕たちとこの世界との関係は、これがアメリカにいたとしても、どこへ行っても同じなんだ。大きなパーティがあっても僕たちはお酒を飲まないし、それよりもその地を吸収するために歩き回るんだ。それによってカルチャーを理解するし、渋谷の交差点で飲んだくれたビジネスマンの姿を捉えることができるんだ。これがアメリカだと、どこでも歩き回るということが難しくなるから、また異なってくるんだよね。



    D アメリカだと写真をすぐに撮らないと、すぐに警察が来てしまうの。「警察を呼ぶぞ!」とか言われたりね。だけど日本では、人々が理解をしてくれていている感じがするのよ。

    E 僕たちは日本ではネイティヴではないから、その土地のカルチャーを理解していない。だからカルチャーを理解するということにトライするために、歩き回ってシーンをよく見るようにしているんだ。

    D ここ(日本)だと人々も親切だし、休むこともできるの。この写真の男性は、飲みすぎて電車の中で寝てしまっているけど、警察はいらないのよね。警察がきたとしても、その人を乱暴に扱わないで、その人の周りにいて助けようとする。

    Photo:Ed Templeton “CITY CONFESSION #1 TOKYO” (SUPER LABO)
  • ― これはきっと、週末の遅い時間の電車ですね(笑)。日本ならではの光景かと思います。

    E 電車のドアが開いたら頭が外に出ちゃったから、頭を掴んで中に入れようとしたんだけど、「ほっておいてくれ! ほっておいてくれ!(Leave me alone!)」って(笑)。

    ―東京の夜でどこの街へ写真を撮りに行くのが好きですか?

    E 新宿エリア、中でも歌舞伎町は写真を撮るのにすごくいいエリアだよね。あと前回の旅行では上野を発見したんだけど、僕たちはとても上野をきにいってしまった。

    D 特に夜に撮影をしていると、レストランやカフェなんかの灯りがいい感じなのよ。人々の顔をいい感じに映るし、写真を撮るのには最適なの。

    E 去年はハローウィンの時期に渋谷にいたんだけど、クレイジーだったね。アメリカ(US)とはまた異なるし、日本のハローウィンはコスチュームにしろ、ひとつのカルチャーだよ。バニーの耳をみんなでお揃いでつけていたり、キッズが同じ格好をしていたり、アメリカだと友達がこれをやったら、自分は違うことをするっていのが普通だけど、ここ(日本)では皆が楽しんで一緒のものを身につけている。

    Photo:Ed Templeton “CITY CONFESSION #1 TOKYO” (SUPER LABO)
  • ― 2人とも人物を撮るのが好きなイメージがあります。

    D そうね。でも私は、もっと細部(DETAILS)を撮りたい方ね。

    E 僕は人物に近づいて、できる限りフレームいっぱいに撮りたい方。それって日本にいると 外国人である僕にとってチャレンジなんだよ。だって僕は、アメリカにいたらどこにでもいるような男だけど、日本だと大きな白人の男になるからね(笑)。

    ―今回、エドは写真集「CITY CONFESSION #1 TOKYO」(出版:SUPER LABO)」をリリースしましたけど、どのような内容になりますか?

    E これまで僕が訪れた街にフォーカスしているんだけど、最初のリリースは東京にしたんだ。これからロンドンやパリなど他の都市もシリーズ化していく予定。5~6都市制作して、最終的にはひとつのまとまった感じにできたらいいよね。東京は、20年間の間に旅してきた写真を撮影している。

    —京都へも行っていますが、他の都市はどうですか?

    D 京都では、パパラッチみたいに写真を撮影したのよ。

    E 祇園にストリートがあってたくさんのツーリストがそこにいたんだけど、彼らがパパラッチのように舞妓を撮影しているところに遭遇したんだ。化粧をし終わった舞妓がタクシーで祇園にやってきたとたんに、それを別のストリートで待ち構えていたツーリストたちが、こぞってタクシーに近づいてフラッシュをたいて写真を撮るという。間違いなくパパラッチ。その中で、僕たちは誰よりも早くシャッターを切るんだ(笑)。ツーリストである自分たちを楽しんだね。

  • ― ところで数カ月前に、ロサンゼルスのゲイパレードの写真を撮影されていたかと思います。あれはどんな内容の写真だったんですか?

    E VOGUEマガジンから依頼を受けて、ロサンゼルスと、オレンジカウンティでやっているローカルのプライドフェスティバルに行ってきたんだ。

    D エドに、プライドフェスティバルでカップルのキスの写真を撮影して欲しいという依頼があったの。

    E とても楽しかったよ。その撮影をしていた最中に、Instagramにもその光景をアップしていたんだ。いろいろなことが起きていて、公共の場でクレイジーにいろいろなことが起きているから写真を撮るのにも楽だった。実に興味深かったよ。日本でもプライドフェスティバルをやっているよね。

    D ロサンゼルスで初めてプレイドフェスティバルをやったときから、とても良いフェスティバルになっていた。お互いサポートをしあって、とてもポシティヴだったわ。多くの人たちが家族からも見放されてしまったり、アメリカで暮らしていくことを心地いいとは感じていないの。フェスティバルでは「Free hug for mom, Free hug for dad」をやっている30歳くらいに2人がいたんだけど、ハグをして泣き出すキッズもいたりして。私もそれを見て泣いたし、とても素晴らしい特別な時間だった。

  • <おすすめの東京の街>

  • <1>
    新宿・歌舞伎町

    東洋一の歓楽街とも言われている、新宿・歌舞伎町。夜がやってくると、これでもかと店のネオンが光出し、ギラギラとした夜が始まる。さまざまなタイプの飲み屋、食事処があり、他の東京の街と比べものにならないほどディープさも持つ。歌舞伎町のド真ん中では、日本の怪獣ゴジラがお出迎え。近くにゲイタウンでも有名な新宿2丁目もあり、実に魅力的で、楽しく危ない夜の街。

  • <2>
    上野

    東京オリンピック開催に向け、開発が進んでいる都心だが、東(ひがし)東京には未だに昭和の香りが残るレトロな街が残る。上野もそんな街のひとつ。上に電車が走る高架下では、昼間からやっている飲み屋もあれば、老夫婦が経営する昔から続く小さな商店もある。中でも、ここは日本か!? と感じさせるアジアな香りたっぷりのアメ横は人気。カオスティックで、異国席溢れる街としても有名だ。

  • <3>
    京都・祇園

    日本の古い都と言えば、東京ではなく京都。日本の歴史を感じることができるこの街の中で、昔ながらの芸妓が働く歓楽街「祇園」がある。「花見小路通」と呼ばれる祇園のメインストリートを歩くと、まるで映画のワンシーンのようにタイムスリップしたような気分になる。この祇園の街に華を添えるのが、芸者や舞妓。夕刻にもなると、美しい着物に身を纏い、白塗りをした芸者や舞妓たちが仕事をするために街へやってくるので、ぜひ一度はその姿を目に収めて欲しい。



    Photo:Reiji Yamasaki
    Text:Kana Yoshioka
    Thaks:RVCA Japan, SUPER LABO, Nao Machida

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