大久保一樹さんが、Deus Ex Machina HARAJUKUから発信する東京サウンド&ドメスティックパーティ
2020-02-10

大久保一樹さんが、Deus Ex Machina HARAJUKUから発信する東京サウンド&ドメスティックパーティ

Culture

裏原宿のコーナーにある人気アパレルショップ&カフェ「Deus Ex Machina HARAJUKU」。モーターサイクル、サーフィン、スノーボード、スケートボードなどを愛する人々の間で人気の、オーストラリア発ブランド「Deus Ex Machina」の東京店であり、天気の良い日はさんさんと太陽の光が入る1Fのカフェでは、人々が気ままにそれぞれの時間を楽しんでいる。海外からやってくるお客さんも多く、自然とローカルと混じり合ったインターナショナルな空気感が独特でいい。その「Deus Ex Machina HARAJUKU」の地下1Fのスペースでは、毎週金曜日19時~23時の間にDJやアーティストが出演するイベント「Deus Trapdoor」を開催。ときにアート展のオープニング・レセプションと連動をしたり、人気DJによる4時間セット、来日アーティストのライヴなど、金曜日の夜を原宿で楽しむ人たちで賑わっている。そのイベントの企画を担当しているのが、大久保一樹さんだ。自らDJでもあることから、サウンド面にこだわる大久保さんが考えた空間とイベントのスタイルとは。店の顔でもある敏腕バリスタが淹れてくれたカフェラテを飲みながら、話を聞いてみた。

  • —東京のナイトライフシーンをどう思いますか?

    大久保 良い感じになってきていると思います。特にここ数年は、外国人の方々もたくさん日本へくるようになってから、もっと面白くなっているのではないかなと思いますね。ただ逆に、その面白いものが散らばっている感じはしているので、みんなでワーッ! と遊びに行けるイベントは、昔に比べて少なくなっていると思います。でもパーティも店もバラエティに富んでいて、夜遊びの幅が広くなっていますよね。

    ―大久保さんは「Deus Ex Machina HARAJUKU」の地下1Fのスペースで、イベント「Deus Trapdoor」の担当をされておりますが、どのような感じでここ最近は行っておられますか?

  • 大久保 「Deus Ex Machina HARAJUKU」が始まった頃から、毎週金曜日にDJバーをやっていたんですけど、そのときは毎週同じ人がDJをしていたんです。それを、2018年7月に空間の音響を変えてから、毎週ジャンルの異なるDJの人たちがプレイをするようになっています。

    ―世界的に有名なファッションブランド「Deus Ex Machina」の店の一貫で、場所も原宿というところで、東京らしい空間だなあと思います。

    大久保 夜だけに来る人は「DJバーなんでしょう」と思っている人もいますが、そもそもアパレルブランド「Deus Ex Machina」の店であり、カフェなんです。店には日本人のお客さんだけでなく、外国からのお客さんもかなりいらっしゃってくれているんですけど、地下の空間を、東京のお土産っぽい感じにするにはどうしたらいいのかなと思ったんですよね。こちらは仕掛ける側なので、どうしたら「行きたい」と思ってもらえる空間にするのか。今、少し音楽に詳しい人であれば、どこのクラブが音がいいかとか知っていると思うんですけど、そういうことをまったく知らない人や、普段クラブに行かない人が、そこで音楽を聴いてみたいなと思わせるような空間を作りたいなと思いまして。そこで、人々が聴いてみたいなと思うサウンドシステムって何だろうと考えたときに、「MADE IN JAPANの音」というテーマでやってみることにしたんです。それって、日本のクラフトマンシップを紹介するという意味で、日本のお土産ですって。

  • —それで日本発のものでサウンドシステム周りを作り上げたのですね。

    大久保 そうなんです。なので、日本のメーカーでサウンドシステムを組みました。ミキサーは「ALPHA RECORDING SYSTEM」を使ってみたかったし、スピーカーは「Taguchi」、レコードの針は「NAGAOKA DJ-03HD」を使用しています。「NAGAOKA」の針はDJ用の針としてはすごく音が良いし、感触としてでかい音が出るんです。ミキサーの「ALPHA MUSIQUE」も太い音を出してくれるので、スピーカーを含めた3つの組み合わせが、この空間にすごく合ったと思います。ちなみに「Taguchi」のスピーカーのこのモデルは、初めて店に設置した第一号なんですけど、うちのサイズの空間に合ったようです。


    ―サウンドシステムに関して、すべてが合致した上での、ここでした聴けない感じに仕上がったようですね。そして面白いなと思うのが、「Deus Ex Machina」は海外ブランドにも関わらず、イベントの際のDJが、めちゃくちゃドメスティックDJだという。

    大久保 「Deus Ex Machina」のフラッグシップは世界にいくつもあるんですけど、各国ローカライズされていて、イタリアであればロードバイクを強く打ち出していたりだとか。日本には世界でも名高いパウダースノーがあるので、日本規格でスノーボードの板を作ったり、あとはオーストラリアよりも寒いので、雪山に行けるようなウエアを作ったりしているんです。その中で、じゃあこの東京の空間でイベントをやるのであればどうすれば良いかなと考えたときに、日本らしい音で行けたらなと思ったんですね。


    ―日本のローカルの良い点はなんだと思いますか?

    大久保 僕は東京のシーンしか観れていないんですけど、東京には本当にたくさんのDJがいて、平均値がめちゃくちゃ高い。スーパースターDJがいるのはヨーロッパだと思うんですけど、東京では知らないDJが、小さなDJバーでプレイしていて、めちゃくちゃ良いプレイをしていたってことがよくあるんですよ。だから何気なしに入ったDJバーやクラブで、楽しみを見いだせるのではないかなと思いますね。気になったら、とにかく行ってみるのがいいと思います。何があるかわからないので。

  • ―店が入っている建物が立て替えということ、今の店での営業が3月1週目までとのことですが、「Deus Trapdoor」ではどんな内容を予定していますか?

    大久保 3月までは、いろいろと良いDJやライブを考えています。僕の大好きなDJのCMTさんもプレイしますし。CMTさんは特別なものを持っているDJで、大きな店やパーティでもプレイする方なんですけど、この空間の広さで4時間DJを聴けるなんて、とても贅沢なことだと思います。うちはクラブではないので、夜遅くまで営業できないことを逆手にとっていまして、イベントは19時~23時と4時間しかない中で、腕利きのDJさんにオープンからラストまで、4時間1人でプレイしてもらっているんです。4時間であれば、DJもお客さんもDJの展開を楽しめるし、完走できる。金曜日の仕事が終わったあとに、ちょっと飲んで踊って帰ることもできるし。クラブではない環境で、本格的にDJのプレイも楽しめることができる、というのがうちの強みですね。


    ―今や「Deus Trapdoor」は、原宿の金曜の夜は、ここにいけば間違いなく遊べるという感じになっていると思います。

    大久保 クラブやDJバーに行くのはハードルが高いけど、「Deus Ex Machina HARAJUKU」なら行きやすいという人も増えているので、小箱のエントリーモデルになればいいなと思っています。例えばうちでCMTさんを見て、良かったから次はディープなクラブへ行ってみようかってなったらいいですよね。

  • ―日本のナイトライフシーンが、こうなっていったらいいなという願望はありますか?

    大久保 クラブシーンの話になるんですけど、僕は2000年代初頭のクラブが盛り上がった時期をそこまで体験していないんですけど、その時は音がどうというよりは、若い人たちが押し寄せる人気なクラブがあったと思うんです。当時の人気のクラブは人がとにかく店に入っているというか。そのときのようにな熱い時代がもう一度きたらいいなと思います。あともうひとつは全く逆で、いろいろな店で、いろいろなパーティが増えていったらいいなと思います。派生系が出てくることが、次のシーンを作っていくのかなと思ったりするんで。昔、『Turntables on The Hudson』といって、ハドソン川のコンピレーションがすごく流行ったときに、友達が、「Turntables on The Sagamigawa」と言って、相模川周辺でやっていたんですけど、そうやって小さくてもいいから何か面白いことをする人たちが増えていったらいいですよね。

  • ■Deus Ex Machina HARAJUKU「Deus Trapdoor」

    原宿にある「Deus Ex Machina HARAJUKU」にて、毎週金曜日の夜に「Deus Records」が主催するパーティ。実力のある日本のローカルDJたちが、4時間みっちりプレイを聴かせてくれる。エントランスはフリー。19時~23時までの営業で、お酒は500円から飲め 、踊るスペースもあれば、座ってチルすることもできる。原宿へショッピングした帰り、または夜遊びに出かける前に最適だ。また今後は、4月中旬、浅草に「Deus Cafe」がオープンするとのことなので楽しみだ。

    Adress:3-29-5 Jingumae, Shibuya-Ku, Tokyo JAPAN
    Tel:+81(0)3-5413-3949
    http://deuscustoms.com
    https://www.instagram.com/deusrecords/

  • ▷大久保さんがオススメする東京ローカルの店

    Photo:Mika Mizuno
  • < 1 > Cafe Apres Midi

    日本では90年代に人気を呼んだミリオンセラー・コンピレーション・シリーズ『Free Soul』を監修した、橋本徹さんが経営しているモダンなDJカフェ・バー。渋谷のファイヤー通り沿いにあり、金土日の週末のみ営業。「ここに行くと、とにかく良い体験ができます。特に金曜日の夜は、大人の音楽ディガーたちが、おしゃれに音楽をかけていて、とにかく居心地がいいです」と、大久保さん。

    Adress:Inter Bld.2 5F, 1-9-11 Jinnan, Shibuya-ku, Tokyo Japan
    Tel:+81(0)3-5428-5121
    Open:Mon~Turs Close, Fri 19:00~25:00, Sat:11:30~23:00, Sun 11:30~19:00
    http://apres-midi.biz

  • < 2 > COUNTER CLUB

    2019年11月に若者たちに人気の街、下北沢にオープンしたDJバー。中目黒の人気クラブ「Solfa 」の系列店でもあり、DJがプレイする良い音楽と、美味しいお酒、一杯飲みにフラッと立ち寄るに最適。「ここがうちと少し近いなと思ったのは、Taguchiのスピーカーを使用していること。小箱ですが街に溶け込んでいるし、新しいDJバーの形という感じがしていて、これからすごく期待しています」と、注目の東京の新しい店だ。

    Adress:SY Bld 2F, 5-29-15 Daisawa, Setanaga-Ku, Tokyo Japan
    Tel:+81(0)3-5432-9550
    Open:Mon Close, Tus~Thur 20:00~Midnight, Fri / Sat 21:00~Morning, Sun Ask
    https://counter-club.com



    ▷Music from Deus Records

    spotify:user:dxmrecords
    https://open.spotify.com/user/dxmrecords?si=KvQSivI-Q8aByKzpm7Fu0A


    Photo:Reiji Yamasaki
    Text:Kana Yoshioka

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