ボーダレスに活躍するDJ、YonYonが薦める外国からきた友達たちに紹介したい店
2020-08-17

ボーダレスに活躍するDJ、YonYonが薦める外国からきた友達たちに紹介したい店

Music

DJ、シンガーソングライター、ラジオ番組のMC、イベント企画など、インディペンデントに活動を繰り広げるYonYon。ソウルに生まれ、幼少期に東京へ移住して以来、日本で生活をしてきた彼女は、現在は日本とアジアを繋ぐ架け橋として、また音楽業界に於いては、アンダーグラウンドとオーバーグラウンドを繋ぐ役割を、自ら率先して行っている。ダンスミュージック、ヒップホップ、バンド系、そして日本のJ POPまで。幅広いジャンルをボーダレスに彼女なりの解釈でミックスしていくスタイルは、実は他にはなかなかいない。コアもメジャーも縦横無尽に行き来するYonYonに、ナイトライフシーンについて話を聞いてみた。

  • —東京を拠点に活動されていますが、東京のナイトライフシーンをどう思いますか?

    YonYon 実は最近福岡に移住したんですけど、より客観的に東京を見れるようになった気がして。東京は、他の国の都市に比べて夜に遊びに行ける店が多いですよね。例えば、居酒屋やカラオケとか、あとはDJバーやレコードバーだけでなく、小さい規模でも個性的なバーやお店が密集しているエリアがあったり。それこそ新宿のゴールデン街だったり、渋谷には、のんべえ横丁とかもあったりしますよね。それって、仕事での接待とか、お付き合いといった、日本の文化がある上で存在しているものじゃないかなって思う。2次会、3次会と、色んなお店をハシゴするイメージ。だから遊べる場所はたくさんある感じはしますね。


    ―夜遊びデビューはいつでしたか?

    YonYon それこそクラブなんですけど。なんですが私、そもそもお泊まり禁止という箱入り娘だったので(笑)、夜遊ぶのも門限が厳しかったり、DJを始めたころも車でお迎えがきていた。親が心配していたので、あまり夜遊んだことがなかったんですけど、大学のDJサークルに加入したことが、DJをやってみようかなと思うきっかけにもなり、18歳のときにWOBMでイベントをオーガナイズをしつつ、DJを始めたんです。

    YonYon
  • ―どんなイベントをやっていたんですか?

    YonYon 自分がイベントを始めたのは18歳の頃だったので、風営法がまだ解消されていなかった時期で、深夜イベントに遊びにいけなかったので、デイ・イベントをオーガナイズしていました。当時は昼の時間帯にクラブミュージックを本格的に楽しめるパーティが少なかったので、「ないなら作ってしまおう!」と思って。それで、「Maltine Records」や「分解系レコーズ」などの、インターネットレーベルが勢いのある時期でもあったので、その人たちをフックアップしはじめたんです。同じ学部に「Maltine」からリリースしていたMiii君がいたのは大きかったです。彼が紹介してくれたイベンターのShiso君(今はプロデューサー)と出会い、その流れで「TREKKIE TRAX」の人たちにも知り合い、初回からSeimei君に出演してもらえたりと、今思うと仲間や環境に恵まれていたんだなと思います。また、大学の同級生たちはクラブに行ったことがない人たちがほとんどだったので、クラブ初心者も一緒に楽しめるようにLIVE枠もブッキングしたり、何か季節もののコンテンツを入れたりしました。例えば、クリスマスにフロアでターキーを配ったり、バレンタインにチョコフォンデュが食べ放題なエリアを作ったり(笑)


    ―当時始まったばかりの新世代の4つ打ちと、ヒップホップというクロスオーバーなパーティだったんですね。

    YonYon 単なるDJだけのパーティではなく、いろいろミックスして総合的に楽しめる、クウォリティの高い音楽であればジャンル問わず出演してもらっていました。今でこそ、ジャンルレスであったり、DJとLIVEがクロスオーバーしたイベントは普及して当たり前な感じですけど、私が学生の頃はそういうのが全然無くて、クラブ自体が硬派で敷居が高かったんです。WOMBで不定期に開催して最初は1Fのラウンジで小規模で始まったものが、最終的には全フロア開けて700~800人くらい人が入るようになって、来た人たちには新しい音楽を知ってもらうきっかけにもなったのではないかなと思います。WOMBのスタッフの皆さんにもあらゆるところで融通を利かせてもらって、ステージの組み立てから一緒に考えてくれたり、VJやレーザーを積極的に取り入れたり、本当にたくさんの人たちに支えてもらいながら、デイイベで学生主体だけど、ナイトのレギュラーイベントには負けずとパーティーを作っていきました。何より色んな大学から音楽好きが集まって、他大の友達を作ってイベントでまた再会する、みたいな流れを作れたのが嬉しかったです。


    ―普段はどんな夜遊びされていますか?

    YonYon 実は普段は、あまり外で遊ばないんです。学生の頃は勉強とバイトで結構忙しかったのもあって、そもそもそんなに遊ぶという行為をしてこなったせいか、一人で散歩したり、映画を観たりする方が落ち着きます。結局は制作の為のインプットになっちゃうのかな。
    だけど、友達に誘われたら普通に居酒屋とかカラオケも行くし、好きな海外アーティストが来日した時はイベントに出向いたり、韓国や、そのほかの海外から日本へアーティスト友達がきたときに、アテンドを兼ねて遊びに出かけたりします。

    YonYon
  • ―海外からきた友達をアテンドするのにお気に入りの店はありますか?

    YonYon 代官山のDJバー〈Debris〉なんですけど、最初は知り合いの人に面白ところがあるからと連れてきてもらったんです。一見、ブックカフェみたいな所なんですけど、隠し扉があって奥に別のフロアが存在して「なんだ、ここは!?」って(笑)。そこで、お店の推しである薬酒を初めて飲んだんですけど、本当に美味して。フードメニューのお粥も虜になってしまいました。その日の音楽はBPM遅めのテクノやハウスがかかっていて、すごくお洒落で、外国から友達やアーティスト人たちが来たときに、ここに連れてくることが多いです。


    ―他にアテンドする際、お気に入りの店はありますか?

    YonYon 渋谷の道元坂を登ったところにあるレコードバー〈JBS〉も良いですよね。あそことかは、みな好きがるから連れていきますね。外国のコミュニティがしっかり根付いている感じはします。初めて日本へ来た人や、日本へ留学をしにきた学生でも、友達作りやすいですし。たぶん日本人より、外国人の人たちに人気があるのではないかと思います。あとはプリクラで。渋谷の宇田川の交番の近くに週末金曜・土曜は0:45までやっている〈ADORES〉というゲーセンがあって。飲んだ後、みんなが気分よくなった後に連れていくと「いえーい!」ってなります。


    ―YonYonさんがDJをやられる場所でおすすめの店などはありますか?

    YonYon 私もときどきDJをやっているところで、渋谷の〈Hotel Koe〉は毎週末19時~23時の間、DJを入れてエントランスフリーでパーティをやっています。DJのラインナップもメジャーよりで聴きやすいし、踊れるスペースもあります。やっている場所がホテルのロビー兼フロアになるので、みんなが踊っている横で宿泊するお客さんが受付していたりするんですよ(笑)。この間、私はJポップとUSのヒップホップを織り交ぜてDJをやりました。

    YonYon
  • ―選曲が実に幅広いですね。

    YonYon 音楽は、掘るのに時間の限りもあるので広く浅くなんですけど。私はもともとコアな音楽が好きで、DJを始めたての頃は、格好いい最先端の音をいち早く見つけて、それを提示していたんですけど、それだけだと上手く広がらないことに気がついて。もっと広く多くの人に音楽を知ってもらうには、オーバーグラウンドとも上手くお付き合いしていかないとと悩んでいた時期に、ラジオ番組「Tokyo Scene」のレギュラー出演のお誘いがきたんです。番組がきっかけでいろいろな音楽を聴くようになり、踊れるJ POPもあることを知って、自分のDJセットに取り入れるようになりましし、オーバーグラウンドな人にアンダーグラウンドな音楽を知ってもらって、アンダーグラウンドな人にはオーバーグラウンドな曲を知ってもらおう……そのマインドになってからは、広く、浅くですね。


    ―最近はどんな日本のJ POPが好きですか?

    YonYon 今、80~90年代のシティポップとか日本のレコードってすごく売れているじゃないですか。それを再解釈した新しいシティポップが増えてきているので、それはいいなと思います。例えばKIRINJI、一十三十一(ヒトミトイ)、tofubeatsなどは、日本の新しい踊れるシティポップを担うアーティストなのではないかなと思います。


    ―日本のナイトライフシーンに期待することはありますか。

    YonYon 今、めまぐるしい工事と再開発が起きていて、渋谷も毎日工事をしていている。新しいクラブやDJバーが沢山できている中、コロナウィルスという世界規模のパンデミックが起き、自粛を余儀無くされている今、皆が知恵を絞り、リアルとインターネットと上手く付き合いながら、なんとか乗り越えようと、あらゆる場所で団結が起きています。大きな変化がある今だからこそ、古き風習を断つチャンスでもあり、新しいことを始めるチャンスでもあります。コロナが落ち着いた頃には、お家で制作やDJの練習を重ねて更にパワーアップしたアーティスト達と、新しい場所、新しいシーンでのコラボレーションが楽しみです。音楽シーンの明るい未来の為に、自分ができることは何かを一人一人が真剣に向き合って、ゆっくり考える時間を持てたのは、大事なポイントなのではないかと思います。

  • ▷ YonYonがおすすめする東京の楽しみ方

    Débris
  • (1)Débris

    代官山の八幡通りにあるDJバー。地下に降り数人しか座れないバーなのかなと思いきや、ある秘密のボタンを押すと……その先には、いい音楽と美味しい酒が待つアジア感溢れる異空間が広がる。人気の酒はバーカウンターの後ろにずらっと並んだハーブを使用した薬酒。疲労回復、風邪対策、夏バテ、美肌などさまざまな効能のあるカクテルがあるので、バーテンダーに相談してみて欲しい。また、クラフトスピリッツを使用した本格カクテルも人気だ。それともうひとつ人気なのが、深夜の時間帯まで食べることができるお腹に優しい中国粥。そこにローカルで人気のミュージックラヴァーたちがDJプレイ。健康を管理しながら、夜遊びを続ける。そんなことをさりげなく提案するDJバーだ。

    ■Débris
    住所:東京都渋谷区代官山町11-12 B1F
    Tel:03-6416-4334
    営業時間:19:00~深夜、日曜定休
    https://debrispace.com

    hotel koe tokyo Weekend music & event
  • (2)hotel koe tokyo Weekend music & event

    渋谷の街の中心にある「hotel koe tokyo」。交差点を角にあり、太陽がさんさんと降り注ぐ都会的な空間が魅力で、1Fでは朝7:30~23:00までべーカリーレストランがオープン、2Fは服、雑貨などのライフスタイルグッズを販売、3Fが宿泊所となっているのだが、この1Fの空間を使用して、毎週金・土曜日にエントランスフリーで音楽イベントを開催。人気のローカルDJを中心に、毎回異なった内容でのパーティが開催されている。週末の仕事帰りや、渋谷でのショッピング帰りにフラッと立ち寄り、思わず長居して踊ってしまったという話をよく聞く。

    ■hotel koe tokyo Weekend music & event
    住所:東京都渋谷区宇田川町3-7
    Tel:03-6712-7251
    営業時間:金土ミュージックイベント 19:00~23:00
    https://hotelkoe.com

    InterFM897 Tokyo Scene
  • ▷金曜の夜オンエアー。YonYonがDJを務めるラジオ番「InterFM897 Tokyo Scene」

    ハウスDJとして活躍するREN YOKOIとともにYonYonがDJを務める、東京を生きる若者の音楽カルチャー・シーンにフォーカスした音楽ラジオ番組。毎週金曜日の夜20:00~22:00、ウィークエンドが始まるゴールデンタイムに、毎回ゲストを迎えた音楽最新情報や、人気DJによるエクスクルーシヴミックスを聴くことができる。世界各国、金曜日の夜のラジオ番組はアツいけど、日本ではまさに「Tokyo Scene」がドメスティックに根付いた音楽シーンを紹介。また、世界的に有名なDJも登場することも。

    InterFM897 Tokyo Scene
    毎週金曜 20:00~22:00
    DJ:Ren Yokoi, YonYon

    https://www.interfm.co.jp/tokyo/



    Photo:Reiji Yamazaki
    Text:Kana Yoshioka

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